CT検査とMRI検査にはどのような違いがあるかご存じですか?どちらも大きな筒の中で寝た状態で行う検査で装置の見た目が非常に似ているため、その違いがわかりにくいと思います。今回はCT検査とMRI検査の違いについてご紹介します。
CT検査
Computed Tomography:
コンピュータ断層診断装置の略でX線を利用しています。
MRI検査
Magnetic Resonance Imaging:
磁気共鳴画像診断装置の略で、強い磁石と電波を利用しています。
どちらも体の断面を描写する検査です。各々に特徴があり、発見できる疾患が異なります。
CT検査
特徴 | ・放射線(X線)を利用した検査 |
検査・時間 | ・検査時間が短い(頭部:5分程度) |
長所 | ・MRIに比べ騒音、閉塞感が少ない ・骨、肺などの組織が抽出される ・体内に金属が入っていても撮影できる |
短所 | ・放射線による被ばくがある ・MRIに比べ筋肉などの軟部組織の情報を得にくい ・検査中の体の動きに大きく影響を受け、ぼけやすい |
CT検査は空気や石灰化の描写が得意な検査です。特に心臓やその周りにある肺、血管の診断に有用とされています。
MRI検査
特徴 | ・磁場と電波を利用した検査 |
検査・時間 | ・検査時間が長い(頭部:30分程度)※1 |
長所 | ・放射線による被ばくがない ・筋肉や靱帯、神経などの組織が抽出される |
短所 | ・大きな音が発生し、閉塞感がある ・CTに比べ、骨などの石灰化層の情報が得にくい ・検査中の体の動きに大きく影響を受け、ぼけやすい ・磁気に反応する金属などが体内にある場合、 検査を受けられないことがある |
MRI検査は、頭部(脳動脈・脳実質)の検査や脊椎、四肢などの組織描写を得意としています。
それぞれの検査で得意・不得意をがあるため、どちらが優れているということはありません。
どちらの検査が最適であるかは、部位や症状、既往などを考慮し、医師の判断にて決定しています。患者さんに合わせた最適な検査を選択しています。