千葉県に甚大な被害をもたらした2019年の台風と2020年以降のコロナ禍を経て、今年は5年ぶりに「佐倉の秋祭り」が三日間通常開催されます!
「佐倉の秋祭り」は、約400年の歴史を誇る「麻賀多神社祭禮」を軸に、佐倉市の伝統文化の継承と市民間の交流をはかることを目的に、平成5年から「佐倉の秋祭り」として開催されています。今年は旧城下町を中心に20町内が参加。五穀豊穣に感謝し、年に一度の神様の御渡りを盛大に祝います。
初日は宮出し。麻賀多神社の大神輿は、享保6年(1721)の製作で台輪巾約1m51cm、重さは米俵16俵分の県内最大級を誇ります。大神輿を担ぐのは氏子である鏑木町の青年たち。白丁に身を包んだ約40名が名誉を担い、「明神祭り、さらば久しい」(神様、久しぶりの御渡りです。どうぞ町の発展をご覧ください。)の意を込めた掛け声とともに、取り仕切る世話役たちの導きで、旧城下町の細く曲がりくねった道を二天棒のみで渡御していきます。
中日は各町の共演。各町内の山車・御神酒所・神輿が自分たちの町を中心に旧城下町を練り歩きます。佐倉では、明治時代前期に日本橋や市ヶ谷方面から買い付けされた山車人形(横町/石橋、上町/日本武尊、二番町/玉ノ井龍神、仲町/関羽、肴町/竹生島龍神、弥勒町/八幡太郎義家(購入年不明))を保有。多くが江戸時代から明治期にかけて名工と語られてきた人形師による製作です。また、昨年、間之町がかつて所有していた山車人形「猩猩」を復元したことで、今年は7体の山車人形披露に期待が高まります。さらに隣接する肴町では、現在、山車の復元作業が進められており、曳き廻しはできませんが、山車に竹生島龍神の人形をのせて町内に飾る予定です。佐倉市指定有形文化財「旧佐倉町の祭礼用具」の計画的な修理・保存・活用をはかる「佐倉山車人形保存会」の皆さんの尽力を始め、互いに触発されるように各町で伝統継承の機運が高まり、調査・復元等が積極的に進められています。
最終日は大神輿の宮入り。各町内が粋で軽快なお囃子と踊りを奉納。御神酒所に大神輿の花棒や後棒が迎え入れられます。また、今年は最上町が正大年番の大役を初めて務めることから、大神輿が最上町へと渡御する貴重な一幕を目にすることもできます。
五穀豊穣に感謝し、神様の御渡りを旧城下町が一体となって祝い迎える姿は、賑やかさのなかにも神事祭礼の厳粛さが漂い、関わる人たちが誇りを持って臨む姿に長い歴史と伝統を感じます。
旧城下町が一年で最も熱気に包まれる三日間。各町内の心意気と大神輿が奮い立つ勇壮な渡御をご覧ください。
【佐倉の秋祭り】
開催日時:10月13日(金)・14日(土)・15日(日)15:00~22:00(京成佐倉駅南口前から新町通りを中心に交通規制があります)