~ドクター・ラオシーの夢うつつ~【その四】
投稿日 2021.01.14
ラオシー少年もいよいよ自分の将来を考える年頃になりましたが、幼い頃にかわいい妹を病気で失ったことで、迷うことなく医学校へ進みました。ラオシーの母親も亡き娘 が、息子を導いたのだろうと感慨もひとしおでした。その医学校は明治の始めの頃、 イギリスに留学した海軍軍医が創った学校で、空襲にも耐えたレンガ積みの古い校舎の冬は、底冷えのする寒さでした。学ぶ知識は膨大で、吐いては詰め込む過酷 さは、未だに夢に見るほどです。それでも普段は同級生と歓談し、やたらに守備時間 の長い野球倶楽部で、手の皮をむき、打撲のアザを作りながらも、なんとか根性と 体力だけは身につきました。たまに女子学生から秋波(しゅうは)が送られて来ても、 ラオシーは故郷のバス停で見染めた彼女に心を奪われたままなのです。(つづく)
ユーカリ血管クリニック
脈管および透析専門医の経験豊富な医師と親切なスタッフが、アットホームな雰囲気で、皆さまのお悩みに向き合います。頚部・胸腹部・四肢の動静脈の疾患(動脈硬化・下肢静脈瘤・静脈血栓症・リンパ浮腫・透析シャント血管)を専門にしております。日帰り治療として、下肢静脈瘤には、血管内焼灼術、医療用接着剤によるグルー治療や硬化療法を、透析シャントには血管拡張術を、いずれも傷跡がなく痛みの