~ドクター・ラオシーの夢うつつ~【その十二】
投稿日 2021.02.01
明けても暮れても院内で過ごした6年間、ラオシーは、ようやく巣立ちの時をむかえました。日々、患者さんと向き合うベッドサイドの診療から少し離れて、遠くを見つめる時間がほしかったのです。たまたま研修でお世話になった他学の先生が出向されていた“名にし負う浪速(なにわ)の研究センター” が、ラオシーの次の旅先になりました。その部門は、腎臓移植の普及と移植医療の研究を推進しておりました。部長先生が気さくな方で、アットホームな雰囲気のなか、地方の医大からも研修に来た若手の先生方に囲まれて、ラオシーは、新たな領域の医学の勉強を無我夢中で始めました。“名にし負う流動研究員”といえども、現代版書生のようなもので、週末には、はるばる電車に乗って、“いにしえの大和の国”の透析クリニックで、食客としてお世話になり、その帰り道には、かつて万葉の世の非業に斃れた大津皇子(おおつのみこ)の眠る二上山の夕陽を眺めながら、ラオシーは、つくづく遠くに来たものだと感慨にふけるのでした。
ユーカリ血管クリニック
脈管および透析専門医の経験豊富な医師と親切なスタッフが、アットホームな雰囲気で、皆さまのお悩みに向き合います。頚部・胸腹部・四肢の動静脈の疾患(動脈硬化・下肢静脈瘤・静脈血栓症・リンパ浮腫・透析シャント血管)を専門にしております。日帰り治療として、下肢静脈瘤には、血管内焼灼術、医療用接着剤によるグルー治療や硬化療法を、透析シャントには血管拡張術を、いずれも傷跡がなく痛みの少ないカテーテル治療で行っております。