~ドクター・ラオシーの夢うつつ~【その十九】
投稿日 2022.04.01
海峡の短い夏が終わると、程なくイカ釣り船の漁り火も消え去り、野山も色づき、北の大地には、まもなく氷と雪の芸術家たちの季節が訪れます。ラオシーも冬の到来の前に、次の旅支度に忙しくなりました。当直室で書き上げた論文に封をして、僻地の病院を出る最終バスの車窓から岬の影が、次第に遠ざかってゆきました。ラオシーは、ようやく医者人生の半ばにさしかかっていたのです。数日後、太平洋を飛び越えたラオシーは、港町バンクーバーの入り江を背にして “ バンクーバー総合病院 “ の入り口に立っておりました。 この建物の上階に、かつて、オーロラ輝くアルバータ州エドモントンで出会ったドクター・ワーノックが、主任教授として待っていたのです。懐かしい再会を果したラオシーは、夕闇迫る港へ、坂道を下って行きますと観光船の横付けされた桟橋は、きれいなイルミネーションに飾られ、こちらは早くも、クリスマスの華やかな雰囲気につつまれておりました。(つづく)
ユーカリ血管クリニック
脈管および透析専門医の経験豊富な医師と親切なスタッフが、アットホームな雰囲気で、皆さまのお悩みに向き合います。頚部・胸腹部・四肢の動静脈の疾患(動脈硬化・下肢静脈瘤・静脈血栓症・リンパ浮腫・透析シャント血管)を専門にしております。日帰り治療として、下肢静脈瘤には、血管内焼灼術、医療用接着剤によるグルー治療や硬化療法を、透析シャントには血管拡張術を、いずれも傷跡がなく痛みの少ないカテーテル治療で行っております。