~ドクター・ラオシーの夢うつつ~【その十一】
投稿日 2021.01.21
分院外科のレジデント(研修医)は、上級生になると臨床研究をして学会発表と論文作成のプロセスを学びます。担当の助教授先生は、内視鏡の先端に超音波診断装置の付いた新機種をラオシーに見せて、“診療に使えるようにドイツに見学に行くように”と話されました。早速、ラオシーは、助教授先生の紹介状をたずさえ、明治の御代に多くの日本人留学生が降り立った北ドイツの港町ハンブルクにおもむき、レンガ造りの大学病院にプロフェッソール(教授)を訪ねました。教授は、元は中国系インドネシア人のエネルギッシュな方で、当時は、ベルリンの壁が崩壊、多くの難民が流入していましたので、教授は、控え室に簡易ベッドをしつらえ、“ここがおまえの住み家だよ!”と笑って迎えてくださいました。ほどなく、元ナチスの親衛隊だったお爺さまの姪っ子の方が、ラオシーを家で預かってくださることになり、ドイツでのオクトーバーフェスト、クリスマス、そして、ドイツの人々の本物の“オモテナシ”をラオシーは、満身に受け、冷たい雨にぬれた石畳に熱い涙を流したのでした。(つづく)
ユーカリ血管クリニック
脈管および透析専門医の経験豊富な医師と親切なスタッフが、アットホームな雰囲気で、皆さまのお悩みに向き合います。頚部・胸腹部・四肢の動静脈の疾患(動脈硬化・下肢静脈瘤・静脈血栓症・リンパ浮腫・透析シャント血管)を専門にしております。日帰り治療として、下肢静脈瘤には、血管内焼灼術、医療用接着剤によるグルー治療や硬化療法を、透析シャントには血管拡張術を、いずれも傷跡がなく痛みの少ないカテーテル治療で行っております。