~ドクター・ラオシーの夢うつつ~【その八】
投稿日 2021.01.18
分院外科の研修医の当直業務は、夕方の処置から始まります。早速、病棟におもむきますとうら若き看護婦さんから “ 先生!胆石の術後患者さんにオピアトのキンチュウお願いしまーす!”と笑顔で頼まれてしまいました。ラオシーは、ひどく狼狽(ろうばい)して、オピアト?キンチュウ?なる暗号の解読を試みました。看護婦さんの持つ小皿の注射アンプルをのぞき込むと、オピウムなる麻薬性鎮痛薬と硫酸アトロピンのラベルが貼ってありました。ではキンチュウは?ラオシーは、看護師さんに“三角筋に筋肉注射すればいいのですか?”と尋ねました。さすがに看護婦さんも不安になって、”今日は私がやりますから、次からは先生がやってくださいね!“と優しく微笑んで、素早くキンチュウとやらを済ませ、ナースステーションに消えてゆきました。ラオシーが医者になって、はじめて教えてもらった処置が、“オピアト!キンチュウ!”だったのです。(つづく)
ユーカリ血管クリニック
脈管および透析専門医の経験豊富な医師と親切なスタッフが、アットホームな雰囲気で、皆さまのお悩みに向き合います。頚部・胸腹部・四肢の動静脈の疾患(動脈硬化・下肢静脈瘤・静脈血栓症・リンパ浮腫・透析シャント血管)を専門にしております。日帰り治療として、下肢静脈瘤には、血管内焼灼術、医療用接着剤によるグルー治療や硬化療法を、透析シャントには血管拡張術を、いずれも傷跡がなく痛みの少ないカテーテル治療で行っております。