~ドクター・ラオシーの夢うつつ~【その二十四】
投稿日 2023.02.01
ラオシーは、透析患者さんの血管のトラブルにも対応することになりました。“名にし負う腎臓病のメッカ”と称された病院だけあって、多くの透析患者さんが通院されています。血液透析は、通常、前腕皮下の “シャント” と称する血管に針を刺して、血液を透析膜に誘導し、老廃物や水分を除いて、再び、返血用の穿刺針から血液を体内に戻すのです。一週間に3回、血液透析を受けるので、シャント血管が、急に狭くなったり、詰まってしまうと、透析が出来ません。ラオシーは、大急ぎで放射線科の処置室に、患者さんを連れて行き、まず、バルーン付きのカテーテルで、狭い血管を内側から拡張してみます。それでも難しいときは、手術室に移動して、シャント血管を作り直すのです。ようやく血流が再開して、傷を閉じているときに、”ひばり“さんの♪あーあー♪川の流れのようにー♪” が、聞こえて来ました。横たわったままの患者さんの瞳に、うっすら光るものが浮かんでいたのを、ラオシーは、昨日のことのように思い出すのです。(つづく)
ユーカリ血管クリニック
脈管および透析専門医の経験豊富な医師と親切なスタッフが、アットホームな雰囲気で、皆さまのお悩みに向き合います。頚部・胸腹部・四肢の動静脈の疾患(動脈硬化・下肢静脈瘤・静脈血栓症・リンパ浮腫・透析シャント血管)を専門にしております。日帰り治療として、下肢静脈瘤には、血管内焼灼術、医療用接着剤によるグルー治療や硬化療法を、透析シャントには血管拡張術を、いずれも傷跡がなく痛みの少ないカテーテル治療で行っております。