~ドクター・ラオシーの夢うつつ~【その二十二】
投稿日 2022.10.01
秋風立ちぬバンクーバーの滑走路を離陸した機体は、数時間ののち、ようやく成田に向け、高度を徐々に下げてまいりました。長く続く九十九里の白波、黄色く染まった田畑、懐かしい日本の里山がパノラマのように目に映りました。ラオシは、新しく再出発した市民病院で、外科部長先生のご配慮により、血管外科の診療を始めることになりました。早速、病院や地域のコミュニティー誌に診療科の案内を出していただくと、続々と患者さんが訪れるようになりました。動脈硬化症や下肢静脈瘤や静脈血栓症を専門とする診療科は、当時は、全国でも珍しく、院内のスタッフも初めて知ったもようです。本邦では、心臓を専門にする循環器内科や心臓血管外科は一般的ですが、末梢血管を扱う専門医は、極めて少なく、ご当地の佐倉でも多くの患者さんが治療機会をえられず、永く悩まれていたのです。(つづく)
ユーカリ血管クリニック
脈管および透析専門医の経験豊富な医師と親切なスタッフが、アットホームな雰囲気で、皆さまのお悩みに向き合います。頚部・胸腹部・四肢の動静脈の疾患(動脈硬化・下肢静脈瘤・静脈血栓症・リンパ浮腫・透析シャント血管)を専門にしております。日帰り治療として、下肢静脈瘤には、血管内焼灼術、医療用接着剤によるグルー治療や硬化療法を、透析シャントには血管拡張術を、いずれも傷跡がなく痛みの少ないカテーテル治療で行っております。