~ドクター・ラオシーの夢うつつ~【その九】
投稿日 2021.01.19
いつものように夕処置をすませていると病院近くの河川敷から立派な花火があがりました。病床の患者さんも付き添いのご家族も感無量の思いでご覧になっています。看護ステーションに戻ると助教授の先生が病棟にいらしたので、痛みの強い癌末期の患者さんのことをうかがいました。先生は、“ドクターラオシーは、オイタナギー(*安楽死)を知っていますか?”とドイツ語の発音でおたずねになり、“オイタナギーには、ある意味、積極的なものと消極的なものがあるが、麻薬性鎮痛薬を少し増量することは、消極的オイタナギーとして許されることではないかな?”とおっしゃって病棟を後にされました。数日後、その患者さんは、痛みも緩和されて穏やかな最期をご家族と迎えられました。助教授先生も患者さんの手を握って、“誰々さん大丈夫?大丈夫!”と声をかけられておりました。ラオシーは、何十年も前の真夏の出来事を昨日のように覚えています。
ユーカリ血管クリニック
脈管および透析専門医の経験豊富な医師と親切なスタッフが、アットホームな雰囲気で、皆さまのお悩みに向き合います。頚部・胸腹部・四肢の動静脈の疾患(動脈硬化・下肢静脈瘤・静脈血栓症・リンパ浮腫・透析シャント血管)を専門にしております。日帰り治療として、下肢静脈瘤には、血管内焼灼術、医療用接着剤によるグルー治療や硬化療法を、透析シャントには血管拡張術を、いずれも傷跡がなく痛みの少ないカテーテル治療で行っております。