~ドクター・ラオシーの夢うつつ~【その三十一】
投稿日 2024.03.29
ラオシー先生の雑談には、“笑いの大学” の話もありました。戦時中の昭和15年、浅草の喜劇作家、椿一(つばきはじめ)は、言論統制をすすめる検閲官、向坂睦男(さきさかむつお)から上演許可を得ようとするのですが、笑いを不謹慎とする検閲官は、一度も笑えない喜劇を書けと命じます。翌朝、椿が持参した 脚本に向坂は、“一番面白い!83回も笑った!上演は不許可である!”と告げますが、椿は、召集令状を見せ、上演の必要が無くなったことを伝えますと、向坂は、“必ず、生きて帰って、君の手で上演してくれ!”と懇願までするのです。笑いを教えてくれた椿の後ろ姿を、長い廊下の端で見送る向坂の目には涙が…。
こんな悲しい時代に戻すものかと唇を噛みしめるラオシーなのでした。(つづく)
ユーカリ血管クリニック
脈管および透析専門医の経験豊富な医師と親切なスタッフが、アットホームな雰囲気で、皆さまのお悩みに向き合います。頚部・胸腹部・四肢の動静脈の疾患(動脈硬化・下肢静脈瘤・静脈血栓症・リンパ浮腫・透析シャント血管)を専門にしております。日帰り治療として、下肢静脈瘤には、血管内焼灼術、医療用接着剤によるグルー治療や硬化療法を、透析シャントには血管拡張術を、いずれも傷跡がなく痛みの少ないカテーテル治療で行っております。