~ドクター・ラオシーの夢うつつ~【その七】
投稿日 2021.01.17
病院長先生の勧めで、医師としての第一歩を踏み出した分院は、ラオシーが6年前に入学した医学校の予科校舎の隣にありました。病院のロータリーには立派なヒマラヤ杉が枝を伸ばし、満開のツツジを横目にラオシーは、裏手の長い廊下を歩いて行きました。ようやく外科医局と書かれた木造平屋の入り口にたどり着くと奥の広間に外科部長先生と医局長の先生が笑顔でラオシーを迎えてくれました。ラオシーは、ひどく緊張して、何を話されているのかも分からず、昔の高校球児のように、ただ笑顔で“ハイ!”としか答えられませんでした。“今日、当直していくか?”と尋ねられても即座に“ハイ!”と言ったものだから部長先生は、ひどくお喜びになられたのを思い出します。その晩の当直指導医は、奇しくも後年、ラオシーの兄弟子になる先生だったとは知らぬが仏のドクター・ラオシーでした。(つづく)
ユーカリ血管クリニック
脈管および透析専門医の経験豊富な医師と親切なスタッフが、アットホームな雰囲気で、皆さまのお悩みに向き合います。頚部・胸腹部・四肢の動静脈の疾患(動脈硬化・下肢静脈瘤・静脈血栓症・リンパ浮腫・透析シャント血管)を専門にしております。日帰り治療として、下肢静脈瘤には、血管内焼灼術、医療用接着剤によるグルー治療や硬化療法を、透析シャントには血管拡張術を、いずれも傷跡がなく痛みの少ないカテーテル治療で行っております。