
身近な病気“慢性腎臓病(CKD)”をご存知ですか?
投稿日 2025.10.09
皆さんは「慢性腎臓病」という病気をご存じでしょうか?英語では「Chronic Kidney Disease(CKD)」と呼ばれ、日本でも非常に注目されている病気のひとつです。現在、日本では成人の約5人に1人が慢性腎臓病とされており、誰でもかかる可能性のある身近な病気です。
腎臓は、腰のあたりに左右1つずつある臓器で、1つの大きさは握りこぶし程度です。小さな臓器ですが、体にとって非常に重要な働きをしています。
腎臓の主な役割
- 血液をろ過して、体にとって不要な老廃物や余分な水分を尿として排出
- 血圧の調整
- 体内の塩分バランスの維持
- 骨の健康
- 赤血球を作るホルモンの分泌
自覚症状が現れにくい病気!?

慢性腎臓病とは、腎臓の働きが少しずつ低下していく病気で、3か月以上にわたって腎機能が低下している状態を指します。原因としては、高血圧や糖尿病、加齢、脂質異常症、肥満、喫煙、過度な飲酒など生活習慣が半分以上を占めます。特に糖尿病と高血圧は、腎臓に負担をかけやすく、腎臓病の主な原因とされています。
この病気の怖いところは、かなり進行するまで自覚症状が現れにくいことです。進行すると、足のむくみ、疲れやすさ、貧血、食欲不振、息切れなどの症状が現れますが、これらは腎機能が低下した後にようやく現れることが多いです。さらに悪化すると、「透析」や「腎移植」が必要になることもあります。
予防と進行を抑える方法は?
では、どうすれば慢性腎臓病を防ぐことができるのでしょうか?まず、定期的に健康診断を受けることが非常に大切です。尿検査や血液検査によって腎臓の異常をチェックすることができます。

さらに、生活習慣の見直しも予防と進行抑制に効果的です。
生活習慣の見直しポイント
- 塩分摂取は1日6g未満を目標に!(塩分の過剰摂取を控えることがポイントです。日本人の平均的な塩分摂取量は多めですが、腎臓に負担をかけないため)
- バランスの良い食事
- 適度な運動
- 禁煙と節酒 など
糖尿病や高血圧がある方は、医師の指導のもと、血糖値や血圧を適切にコントロールすることが大切です。
腎臓への当院の取り組みのひとつ
当院では定期的に腎臓病教室を開催しています。腎臓内科医、認定看護師、腎臓病療養指導士、管理栄養士、薬剤師、理学療法士、医療ソーシャルワーカーなど多職種から腎臓や生活の工夫についてわかりやすくお話しいたします。以前に参加したことがある方、初めての方どなたでもご参加いただけます。ご参加お待ちしております。

腎不全看護特定認定看護師 永田