
腰痛に悩んでいませんか?
投稿日 2025.03.19
腰痛は、腰まわりに痛みや違和感が生じる症状のことです。腰に負担がかかること以外にも、さまざまな要因が関係しています。過度に安静にしたり、痛みを過度に気にしすぎると、腰痛が慢性化する可能性があります。

国民の80%が一生に一度は「腰の痛み」を経験すると言われています。レントゲンなどの画像検査では、腰痛の原因がはっきりしないことが多く、腰痛を経験した人の約85%は明確な異常が見つかりません。「腰痛がある=何か病気がある」とは限らないのです。
腰痛の種類
腰痛には大きく分けて2種類あります。

非特異的腰痛 | 原因が特定しきれない腰痛 | 約85% |
特異的腰痛 | 原因が特定できる腰痛 ・椎間板ヘルニア ・脊柱管狭窄症 ・圧迫骨折 ・感染性脊椎炎やがんなどの脊椎転移 ・大動脈瘤、尿路結石などの内臓疾患 | 約15% |
腰痛との向き合い方
今までは「痛みがあるときは安静にする」という考え方が一般的となっていましたが、現在の日本の腰痛診療ガイドラインにおいては、「できるだけベッドで安静にせず、早めに活動を再開すること」が推奨されています。また、海外においても「腰痛があってもできる範囲で動くことが大切」という考え方が主流となっています。
運動を取り入れよう
日常生活の中で体を動かすことが、腰痛予防につながります。ウォーキングを1日15~20分程度取り入れると効果的です。無理せず、心地よいペースで続けましょう。
また、ウォーキング以外にも筋力トレーニングやストレッチなどを実施することも効果的とされています。下記の内容を参考に実施してみてください。

寝ながらできる腰痛体操
①お尻の筋力トレーニング
- 息をはきながらお尻を5秒間持ち上げる
- 足や太ももではなく、お腹やお尻の筋肉を意識する

②お尻のストレッチ
- 片膝を胸に近づけるように抱える
- 20秒保持し、反対側も同じように行う

③背骨の柔軟体操
- 大きく息を吸いながら背中を丸める
- 息を吐きながら背中を反る
- 胸の部分を動かすことを意識し、腰はあまり動かさない

座ってできる腰痛体操
①背骨の柔軟体操
- 息を吐きながらみぞおちをしまい込むイメージで体を丸める
- 息を吸いながらみぞおちを突き出すイメージで胸を開く
腰だけ反らないように注意

②左右のバランス訓練
- 左右に体重を移動
- バランスが崩れるギリギリのところで停止
肩の高さを変えないように注意

③骨盤の回旋運動(円を描く運動)
- 頭の位置はなるべく変えずに、お尻で大きな円を描くように体幹・骨盤を回す
- 苦手な方向を重点的に動かす
- 右回し、左回しの両方向で実施する

少し疲れる程度の強度で、趣味などに合わせて心地よく運動できる内容を選んで行ってみてください。
・運動で痛みが増す場合はすぐに中止し、医師に相談をしてください。
・運動は各1セット10~15回程度で、2~3セットを目安に実施しましょう。
参考文献
腰椎椎間板ヘルニア 理学療法診療ガイドライン
腰痛診療ガイドライン2019(改訂第2版)
慢性疼痛治療ガイドライン
理学療法ハンドブック シリーズ3 腰痛
厚生労働省 腰痛対策