
緩和ケアってなに?緩和ケアが支える“その人らしい時間”
投稿日 2025.10.27
皆さんは「緩和ケア」と聞いて、どんなイメージが思い浮かびますか?
「がんの末期に受ける特別な医療」と思われる方も多いかもしれません。しかし、緩和ケアは“最期のとき”だけのものではありません。病気に伴う身体や心の痛みを和らげ、「その人らしい時間」を支えるための医療です。
たとえば、がんによる痛みや息苦しさ、気持ちの落ち込み、不安や眠れない、、、こうした「苦痛」を少しでも軽くすることで、安心を与えるお手伝いをするのが緩和ケアです。
“病気とともに生きる”時間をどう過ごすか、それを一緒に考えるのも緩和ケアの役割です。
「まだ治療中だから」「そんなに重い病気じゃないから」と遠ざけず、どなたにも関わる医療として知っていただけたらと思います。

当院では、11月1日(土)に緩和ケアの役割や医療選択の重要性、ACP(人生会議)の基礎について講演会を開催いたします。緩和ケアについてご本人以外でも、ご家族のためにお話を聞いてみたい方、当院に通院したことのない方など、どなたでもご参加いただけますのでぜひお越しください。
緩和ケアについて学ぶQ&A!
Q1一度入院したらもう退院できないのでしょうか?
A2緩和ケア病棟に入院した後でも、退院は可能です。患者さんやご家族がご自宅に戻ることを望まれる時や、がん以外の病気の治療を優先する必要がある場合など、様々な状況を想定し、安心して退院できるようサポートします。
Q2緩和ケア病棟ではどのような治療を受けることができますか?
A2がんによるつらさ(苦痛)を和らげるための治療を受けることができます。痛み止めなどの薬を使う治療だけでなく、専門の看護師による心のこもったケア、リハビリ専門職による体の機能維持や回復のための支援などを中心に行います。
Q3緩和ケアを受ける場合は必ず入院が必要ですか? 外来もしくは自宅で受けることは可能なのでしょうか?
A3必ずしも入院が必要なわけではありません。病院の外来に通院して受ける方法や、ご自宅で訪問診療を受けながら、もしもの時のために入院可能な体制を確保しておく(バックベッド)などの方法もあります。病状に応じて最適な方法を組み合わせて、様々な形で緩和ケアを受けていただけます。
穏やかな時間を過ごすための当院の緩和ケアへの取り組みについて

この度、長らく休止しておりました当院の緩和ケア病棟が、2025年11月より再開いたします。患者さんとご家族が心穏やかに、患者さんの「自分らしさ」を何よりも大切にし、残された時間を安心して過ごせるよう心を込めてお手伝いします。
当院の緩和ケア病棟のポイント
- 全室個室の療養環境
全室が個室なので、静かで落ち着いた療養環境となります。ご家族と気兼ねなく過ごす時間も、大切な癒しとなります。
- 多職種によるきめ細やかなサポート
医師、看護師だけでなく、薬剤師、管理栄養士、理学療法士、歯科衛生士、ソーシャルワーカーなど様々な職種の医療チームが、痛みや心の不安、社会生活での困りごとなど、多角的な視点から支援します。
- ご家族も安心できる設備
ご家族がゆったりと過ごせる談話室や家族控室、キッチンも備えています。

受診のご相談は総合相談室へお問い合わせください。
※当院の緩和ケア病棟は、がんに対する積極的治療を終えられた方が対象となります。
問い合わせ先 総合相談室 043-486-8111(平日8:30~17:00)
緩和医療科 村上