祭りとまちづくり
投稿日 2024.07.30
まちづくりコラム vol.63
このコーナーでは、「市民協働によるまちづくり」について、
STaDプロデューサー中村正明が北総エリアでの事例を交えお伝えします!
暑い日が続いておりますが、いかがお過ごしでしょうか?
各地では夏祭り真っ盛りですね!
最近、各地を地域活性の仕事で回っていると、うちの町ではかつて地域ぐるみで祭りを盛大に行っていたが、最近は人口減少と高齢化のため、祭りが出来なくなってしまった話や、縮小を余儀なくされてしまっている地域が増えてきたと感じています。
祭りといっても、何百年も続く伝統的な祭りから、数十年前にニュータウンが立ち上がると同時に、新たに住まう住民同士のコミュニティの醸成を目指した小規模な祭りまで様々です。
歴史が古く伝統的な祭りの場合は、地元側からすると神社の関係など様々な理由から、よそ者は受け入れづらいことがあり、祭りの維持・継承に苦労されているところが少なくありません。しかし、周辺エリアの住民や新たに移り住まれた移住者にとっては、とても魅力的な地域のイベント(行事)でもあります。このような状況の中で、地元に根差した金融機関等の祭りへの参加や、観光客が参加できるような仕組みをつくるなど、祭りの継承と新たな価値を創造する取り組みが見られるようになってきました。
一方、ニュータウンではじまった祭りは、高齢化やコミュニティの希薄化等による世代交代がうまくいかず、祭りが継続できなくなっているところも少なくありません。次代を担う子どもたちにとっては、とても残念なことだと感じています。これらの課題を解決する切り口の一つとして、ニュータウン開発の歴史や背景を地域ぐるみで学びながら、これからの未来を切り開いていくプロジェクトを立ち上げ、その中の一つの事業として、祭りを位置づけ、新たなかたちで祭りの継承や復活を考えてみてはどうかと考えています。
いま、地方創生を考える際、シティプロモーションの名のもと、地域資源の発掘と磨き上げ、そして効果的な情報発信にどこの地域でも力を注いでいます。
祭りという大切な地域の宝を、祭りを運営する地域だけで考えるのではなく、もう少し広いエリアで大切な地域資源と捉え、あらたな市民協働により祭りを大切に育むまちづくりが重要だと考えます。