
暑い夏にご用心!大人も知っておきたい「プール熱」って?
投稿日 2025.07.10
気温が上がり、いよいよ夏本番!
暑い日は、プールで遊ぶのを楽しみにしているお子さんも多いのではないでしょうか。
プールで遊ぶときは、日焼け対策や熱中症予防、準備運動など、気をつけることがたくさんあります。
そしてもう一つ、大切なのが「感染症」への注意です。
今回は、子どもだけでなく大人もかかることのある「プール熱」についてご紹介します。

プール熱ってどんな病気?
正式名称は「咽頭結膜熱(いんとうけつまくねつ)」。
アデノウイルスというウイルスによって引き起こされる感染症で、夏に多くみられることから「手足口病」「ヘルパンギーナ」とともに「三大夏風邪」のひとつに数えられています。
かつては、プールでの接触やタオルの貸し借りなどで流行したため「プール熱」と呼ばれるようになりました。
主な症状は以下の通りです。
- 高熱(39℃を超えることも)
- 喉の痛み・赤み(咽頭炎)
- 目の充血や痛み、めやに(結膜炎)

感染経路は「飛沫感染」と「接触感染」です。
- 飛沫感染:咳やくしゃみによってウイルスを含んだしぶきが空気中に飛び散り、吸い込むことで感染します。
- 接触感染:ウイルスが付着した手やタオル、ドアノブ、玩具などに触れたあと、目・鼻・口などをこすると感染します。
もしもプール熱にかかったら?
プール熱は、「学校感染症 第2種」に分類されており、登園・登校は制限されます。
感染が判明したら、すぐに学校や職場へ連絡をしましょう。
▼ お子さんの場合 |
出席停止の期間は、主な症状がなくなってから2日が経過するまでとされています。 |
▼ 大人の場合 |
出勤制限は法律では定められていませんが、職場での感染拡大を防ぐため、勤務先と相談することが大切です。 |
2023年には異例の大流行も!
本来は夏に多い感染症ですが、2023年は例年と異なり秋から冬にかけて全国的な大流行が見られました。
とくに11月には、複数の都道府県で警報レベルの感染が報告されました。
感染者の約6割が5歳以下の子どもですが、患者数が増えると大人の感染リスクも高まるため、注意が必要です。
この背景には、以下のような要因が考えられています。
- コロナ禍で低下していたウイルスへの集団免疫が弱まっていたこと
- 外出やイベントの再開により、人と人との接触機会が増えたこと
- 保育園・幼稚園など集団生活の場での感染拡大
とくに5歳以下の子どもが約6割を占めましたが、子どもから家庭内にウイルスが持ち込まれるケースも多く、大人の感染も決して珍しくありません。 患者数が増えると大人の感染リスクも高まるため、「子どもの病気」と思わず、家庭内での予防意識を高めることが大切です。
プール熱を防ぐ4つの予防ポイント!
- 手洗いは流水とせっけんで丁寧に!
※アデノウイルスは、アルコール消毒が効きにくいと言われています。
熱消毒・次亜塩素酸ナトリウムによる消毒が推奨されています。
- 咳エチケットを忘れずに。
マスクやハンカチで鼻と口を覆いましょう。
- タオルや寝具などの共用は避けましょう。
家族内感染を防ぐためにも個別に使用しましょう。
- よく触る場所や道具は、定期的に消毒を。
とくに子どもが触れるものは念入りにしましょう。

プール熱は、子どもに多い病気と思われがちですが、家庭内や職場で大人にも広がる可能性があります。
この夏、家族みんなが楽しい思い出を元気に過ごすためにも、しっかりと予防を心がけましょう!
参考文献:
咽頭結膜熱|厚生労働省 https://www.mhlw.go.jp/stf/seisakunitsuite/bunya/kenkou_iryou/kenkou/kekkaku-kansenshou/pcf.html
生活クラブ共済連