
指がカクンと鳴る?それ、ばね指かもしれません!
投稿日 2025.08.14
日々の家事や仕事、パソコンやスマートフォンの使用など、私たちは思っている以上に手を使っています。そのため、手の使いすぎが原因で起こる「ばね指」という症状は実はとても身近な病気です。ばね指は、手をよく使う仕事やスポーツをしている人だけでなく、更年期の女性や妊娠初期の女性、糖尿病の方、透析を受けている方など様々な方に見られる疾患です。
今回はばね指の中でも特に多くみられる親指のばね指に注目し、原因や症状、ご家庭でもできるストレッチ法をご紹介します。

ばね指ってどんな症状?
まず、指は筋肉の収縮によって腱が引っ張られ、関節の曲げ伸ばしを行います。この腱が指の関節を動かす通り道には、トンネルのような腱鞘があり、腱が浮き上がらないように抑える役割を果たしています。しかし、腱や腱鞘に過度な負担がかかると、炎症を起こしてしまうことがあります。これが「腱鞘炎」の原因となり、炎症や腱鞘の肥厚により腱の動きが妨げられることで、痛みや指を伸ばすときにカクンと動く「ばね現象」が起こります。症状が進行しさらに悪化すると、指がロックされてしまい、反対の手を使わないと伸ばせなくなったり、指が固まって動かなくなったりします。
親指のばね指に効くストレッチ
ばね指の改善に効果的なストレッチ、「指の腱を伸ばし柔軟性を向上させるストレッチ」と「腱鞘(トンネルの役割)を拡大させて腱の腱鞘内滑走をスムーズにさせる」をご紹介します。
【指の腱を伸ばすストレッチ】
①手のひらを下に向け、手首を反らす。
②反対の手で親指を持ち、爪の方向へ反らす。
③反らした状態を30秒キープする。

【腱鞘を拡大させるストレッチ】
①親指を付け根からしっかり曲げる。
②人差し指で親指を抑える。
③反対の手で指先の腹を抑える。
④患側の親指を曲げるように力を加え、抑えている手で拮抗させる。
⑤この状態を30秒キープする。

ばね指の治療は?
保存的治療としては、ストレッチ以外にも局所の安静や投薬、腱鞘内のステロイド注射があります。改善しない場合や再発を繰り返す場合は手術が検討されることもあります。
指の動かしにくさや痛みが出現する場合は早めに整形外科を受診するようにしましょう。

作業療法士 村本