醸造業が盛んで関東灘とたたえられた佐原の味醂は、流山と相対し内外に名声を博し、博覧会又は共進会、品評会などに出品して、毎回数多くの賞賛を得ました。
その他、味噌や奈良漬、ときわ漬の製造も始まりました。佐原の名産を呼びたたえる里歌として、「佐原名物、御酒に醤油、味醂に奈良漬、島の瓜」とうたわれ、島の瓜は、寛政(1801年)以降、奈良漬の原料にするため、しだいに栽培が増加していきました。
馬場本店酒造の初代は、「1681~1683(天保年間)に大和国(奈良県)より佐原の地に渡り、糀屋を起こした」とあり、酒造を始めたのは1842年(天保13)。以来、300余年にわたり佐原の歴史とともに、伝統の製法を守り、日本酒・味醂の醸造をしています。