こちらのプレートを見たことはありますか?
「医療被ばく低減施設」として公益社団法人日本診療放射線技師会より認定を受けた証です。「安心できる放射線診療」を国民の皆さんへ提供するため、2018年より制度が導入され現在までに128施設、千葉県では7施設が取得しています。
認定取得には
・すべての装置の放射線量を把握し、必要最低限の被ばくで最大の検査結果を得られること
・すべての撮影での個々の患者さんの被ばく線量の把握・管理
・被ばく相談
など約60項目に加え、医療被ばく低減を病院全体で取り組んでおり高いレベルで被ばく低減実践している施設が認定を受けることができ、5年に1度更新審査が必要となります。当院でも患者さんに安心して検査を受けていただくため、2019年に取得しました。
(放射線科 防護委員会)
ー◆ 医療被ばく ◆ー
放射線を使った検査や治療を行って放射線を浴びることを「医療被ばく」といいます。
具体的にはレントゲン、CT検査、マンモグラフィ、骨密度測定、透視検査、血管造影検査などで受ける被ばくです。
放射線を被ばくすることによる身体的影響は線量の増加に伴いリスクが上昇し、100mSv(ミリシーベルト)を超えると影響が現れてきます。少量の被ばくでは、多くの場合短時間のうちに回復し影響は残りません。一度に多量の被ばく(100mSv以上)を受けるとDNAの損傷が生じ、身体に影響を与えることがあります。通常の放射線診療では100mSvを超えることはなく、放射線被ばくによる影響はほとんどありません。ただし、心臓や脳などの血管内治療(IVR:画像下治療)では、得られる医療情報による利益の方が被ばくによるリスクより大きいと判断される場合は同じ部位を長時間あるいは短期間に繰り返し撮影することで皮膚障害や目の障害を引き起こすことがあります。
100mSv以上の被ばくによる身体的影響
・皮膚障害(紅斑、脱毛、びらん)
・造血器障害(感染、出血)
・晩期障害(白内障、不妊、発がん)
実効線量 mSv(ミリシーベルト)
臓器・各組織の各部位で受けた線量をがんや遺伝性の影響の感受性を反映させ、全身への影響を考慮した値で放射線防護に用いる線量
ー◆ 適切な医療被ばく ◆ー
レントゲン、CT検査、血管造影など放射線を利用した画像診断は、国民の生活に多大な恩恵をもたらしており、現代医療には欠かせないものとなっています。なかでもCT検査は迅速に全身の多くの情報を得ることができるため、多くの医療現場で活躍しています。
日本では欧米に比べ人口あたりのCT装置台数、検査数ともに世界最高水準であり、誰でも病院でCT検査を受けることができる恵まれた環境が整っています。しかし、CT検査はレントゲンなどの他の検査と比べた場合、被ばくがやや多くこのような恵まれた医療体制にある日本人の被ばくは世界に比べて多いといわれています。
被ばくを受ける量は撮影部位や装置の種類・設定、患者さんの体格により大きく異なるため、適切な管理が重要です。そのため、医師・診療放射線技師は適切な放射線量で患者さんに安心して検査・治療を受けてもらえるよう努めています。不安なことがある場合には医師または診療放射線技師へご相談ください。
日本におけるCT/MRI/PETの台数
・CT数 111.5台(世界1位)
・MRI数 55.2台(世界1位)
・PET数 4.6台(世界3位)