
ユーカリ血管クリニック~連載エッセイ【その四十四】~
投稿日 2026.06.01
ユーカリ血管クリニックは
脈管および透析専門医の経験豊富な医師と親切なスタッフが、アットホームな雰囲気で、皆さまのお悩みに向き合います。
頚部・胸腹部・四肢の動静脈の疾患(動脈硬化・下肢静脈瘤・静脈血栓症・リンパ浮腫・透析シャント血管)を専門にしております。
日帰り治療として、下肢静脈瘤には、血管内焼灼術、医療用接着剤によるグルー治療や硬化療法を、透析シャントには血管拡張術を、いずれも傷跡がなく痛みの少ないカテーテル治療で行っております。

~ドクター・ラオシーの夢うつつ~【その四十四】
小説“白い巨塔” は、映画やドラマで、繰り返し再演されてきました。舞台の大学病院には、教育、研究、診療の全責任を果すために、教授が君臨しています。主人公の財前五郎は、苦学しながら優れた外科医となり、大学病院の権力闘争に巻き込まれつつも、教授の椅子を射止めます。かたや、同期で内科助教授の里見脩二に再三、診療上の忠告を受けますが、転移の疑われる癌の手術を強行し、患者を死に至らしめ、遺族からの医療裁判で訴えられます。財前は、心身ともに消耗してゆき、自らも手術不能の進行癌で、夢なかばで斃れてしまいます。死の床で、財前は、大学病院を去った里見の手を握り、昏睡のなかで、“新しい癌センターで、理想の医療をしよう”と涙を流し、息絶えるのです。白い巨塔は、皮肉にも、財前のみならず里見さえも、かけがえのない医療者の夢を奪ってしまうのです。(つづく)
