解熱剤を使うタイミングは?おうちでできることは?
解熱剤を使うタイミングは前回の「発熱の時にチェックすること」に1つでも該当する場合、簡単に言えば『ぱっと見た目で本人が辛そう』な時です。
再確認!発熱の時にチェックすること!
□呼びかけに対して普段通りの反応が返ってこない
□機嫌が普段通りではない
□水分が摂れていない
□遊ぶ元気がない。眠れない
体温が何度以上でなければ使用できないということはありません。39℃の高熱であっても本人が機嫌よくニコニコしていられる、もしくは夜眠れている場合は急いで解熱剤を使う必要はありません。また、6か月未満の赤ちゃんでは解熱剤が効きすぎてしまう場合があるため、原則使用しません。
解熱剤の他には、クーリング(冷却)も効果的です。首や脇の下、脚の付け根など大きな血管が走っている付近に氷のうや保冷剤を当ててください。冷感シートは貼って気持ちが良いようであれば使用してもかまいませんが、冷却効果はほぼありません。ご使用の場合は、剥がれて口や鼻を塞いでしまうことが無いように十分に注意しましょう。
こんな時はすぐに受診を!
下記のような症状が見られたらなるべく速やかに医師の診察を受けてください。
□ぐったりしていて顔色が悪い
□水分が摂れず半日以上おしっこが出ない
□呼びかけてもぼんやりしている、すぐにウトウトと眠り込む
□けいれんした
生後3か月未満の赤ちゃんは…
必ずなるべく早めに受診するようにしてください。生後6か月頃までの赤ちゃんは、お母さんに胎盤経由でもらった免疫に守られています。しかし、特に3か月未満の赤ちゃん本人はまだ自力で病原体と戦うための免疫が未熟です。風邪をもらってしまい熱が出たというケースが大部分ですが、まれに重症の細菌感染症が紛れていることもありますので、3か月未満の赤ちゃんの発熱の多くは入院してきちんと検査と治療を行うことが勧められます。
迷ったら??
元気でも5日以上熱が続く際は受診をお願いします。それよりも経過が短くとも、保護者の方が『受診した方がいいのかな?』と迷う場合は、それが受診のタイミングと言って差し支えないと思います。遠慮なく受診してください。いつものお子さんの様子を一番よくご存じの保護者の方から見て『何かおかしい』と思う場合は受診してそのことを医師に伝えてください。うまく説明できなくても根拠がわからなくても構いません。自分の症状をまだ言葉で説明できないこどもたちを診察する際は、私たち小児科医は保護者の方の直感を大いに頼りにさせていただいています。そうした直感を率直に教えていただければ大変ありがたいです。