認定看護師とは、特定の分野において熟練した看護技術や知識をもち、日本看護協会の審査に合格した看護師です。また、特定看護師とは、特定行為に係る研修を修了し、医師又は歯科医師の判断を待たずに手順書により、一定の診療の補助を行うことのできる看護師です。当院には8領域10名の認定看護師と2名の特定看護師が活動しています。
今回は、よくある質問を認定看護師の専門的立場から、お答えします。
●インフルエンザについてー 感染管理認定看護師 安間有希
今シーズンのインフルエンザには、どのような特徴がありますか?
新型コロナウイルス感染症の影響もあって、インフルエンザの抗体を保有している人の割合が、すべての年齢で低下傾向にあります。2023-2024年シーズンは、季節性インフルエンザの流行が起こりやすい状況にあると考えられます。現在、インフルエンザ患者の発生が継続しており、例年11月から始まる患者数の上昇傾向が、8月から始まっていることも、特徴として挙げられます。
インフルエンザワクチン接種にあたって、注意すべきポイントなどはありますか?
ワクチンの予防効果が期待できるのは、接種の2週後から5ヵ月程度と考えられています。まだワクチンを接種していない方は、できるだけ早い接種をおすすめします。
インフルエンザワクチンを接種すれば、インフルエンザに感染しないですか?
ワクチンで完全には発症を予防することはできません。ワクチンの一番の効果は、肺炎や脳症などを発症する重症化を予防することです。
インフルエンザワクチンと新型コロナワクチンを両方同時に接種することは可能ですか?
同時接種は可能です。ただし、どちらのワクチンもアレルギー反応や、頭痛・発熱・吐き気などの副作用が起こる可能性はあります。
※インフルエンザも新型コロナと同じように飛沫と接触で感染します。
感染予防のためにも人混みなどでのマスク着用と手指消毒を行うなどの対策を心がけましょう。
●足のケアについてー 糖尿病看護認定看護師 長谷川裕美
足に傷ができたら、どうしたらいいですか?
傷ややけど、巻き爪、たこなどは形成外科へ、かぶれや湿疹は皮膚科をご受診ください。また、生活習慣病支援外来ではフットケアの相談や爪切りなどを看護師が行っています。
糖尿病があると、みんな足の壊疽になりますか?
糖尿病の方全員が、壊疽になるわけではありません。足のお手入れ=フットケアをすることで、壊疽の予防ができます。日々、足に傷などのトラブルがないかチェックし、足を洗ってよく乾かし、保湿をしましょう。
足が当たると痛いので、ゆるい靴でもいいですか?
ゆるい靴は、靴の中で足が前後に動きやすいため、足の靴ずれやまめなどのトラブルにつながります。ひもやマジックテープで、足首と靴がしっかり固定できる靴がおすすめです。固定すると、指先に余裕ができるので足が靴に当たって痛いというのが解消され、巻き爪やたこの予防にもなります。面倒でも、ひもやマジックテープで固定できる靴を選びましょう。
※毎日のお手入れが足のトラブルを予防します。
まずは毎日足を見る習慣をつけましょう!
●ヒートショックについてー 慢性心不全看護認定看護師 宍倉亜希子
ヒートショックってなに?
大きな気温の変化によって血圧が急激に上下し、心臓や血管の疾患が起こることをいいます。冬は脱衣所と浴室内の温度差によってめまいや失神することがあるため気をつけましょう。
ヒートショックを予防するにはどうしたらいいの?
お風呂の温度が42℃以上だと入浴の際に心臓に負担をかけてしまうことがわかっています。熱いお風呂が好きな場合は、38℃~40℃程度のぬるめのお湯から入り、熱いお湯を足して徐々に温めましょう。浴槽から出る際にはゆっくり立ち上がり、身体への負担を軽減してください。また、食後1時間以上経ってから入浴し、入浴前後で水を飲む習慣をつけましょう。食後に時間を空けて入浴するのは、消化を促す観点からみても効果的です。
※高齢の方、心筋梗塞を起こしやすい方などは、家族や友人がいるときに入浴しましょう。
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