皆さん、健康診断やかかりつけ医から、尿蛋白や腎臓の機能について指摘を受けたことはありませんか?現在日本では成人の8人に1人が慢性腎臓病(CKD)であると言われています。
残念ながら現在CKDを治癒させる治療法はありません。そのため、当院では腎臓についての理解を深め、今ある腎臓の働きを維持していけるようにCKD教育入院を実施しています。
CKD教育入院ってなにをするの?
腎臓は24時間・365日休むことなく働いています。
腎臓の働きについて、退院後の生活ポイントなど看護師から説明・ビデオを用いて勉強します。また退院後の食事のイメージができるように、腎臓食の提供をします。
食事に関しては管理栄養士からのアドバイスや、服薬のある方には薬剤師からも薬効や飲み方の説明があります。
入院患者1人1人それぞれ腎臓と付き合いながら生活できるように、腎臓内科病棟のスタッフ全員で、支援しています。納得できるまでとことん腎臓について一緒に学んでいきましょう。
今からできる腎臓豆知識
皆さん、1日にどのくらいの飲水をしていますか?
普段の生活の中で、どのくらい飲んでいるかを気にしている方は少ないと思いますが、体内の水分は尿の他に汗などで失われてしまいます。
飲水の目安は、1日に1,500~2,000mlを摂取するように意識してみましょう。スポーツドリンクやコーヒー、ジュースなどは控えましょう。
また、夏場は普段より多く発汗するため、いつもより多く水分を摂るようにしましょう。
日頃からできるポイント
腎臓が悪くなると浮腫が現れます。浮腫が出やすい部位は顔・足・手です。
〈浮腫チェック方法〉
- 朝起きたときに顔が腫れぼったい
- 靴が窮屈、靴下のゴムの跡がくっきり残る
- 足のすね、甲、くるぶしなどを骨に向かって30秒くらい押し、離しても跡が残り直ぐは圧痕が戻らない
<体重測定>
浮腫が現れると、体重にも変化が現れます。
1日1回、同じ時間帯に同じ服装・体位で測定し、日々の体重の増減を比較してみましょう。
<血圧測定>
高血圧や医師からの指示がないとなかなか測定することはないと思いますが、腎臓が悪くなると血圧にも影響が出てきます。
血圧測定ポイント・・・
朝:起床後1時間以内、排尿後、朝の服薬前、朝食前など、
夕:就寝前
朝夕どちらとも、座ってから1~2分安静時、同じタイミングに測定することをおすすめします。
<塩分>
食事の味付けが濃くなっていることはありませんか?
普段の食事や間食などで、塩味が濃いなと感じるときは塩分の調整を気にしてみましょう。
かかりつけ医がいる方はかかりつけ医にご相談ください。
当院には、腎臓内科として専門医が常勤しています。ご受診を希望される場合にはホームページをご確認ください。