今までと何か違う…こどもの感染症vol.1
投稿日 2024.09.02
“今までと違う”感染症
一般小児科外来で診察する患児のほとんどが感染症による急性発熱であり、私たち小児科スタッフも細心の注意を払いながら診察しています。コロナウイルスが猛威を振るっていた数年前は他の感染症を診察する機会は少なかったのですが、ここ最近はコロナを含め様々な感染症がまとめて押し寄せてきている印象です。
最近では、冬の感染症の代表であったインフルエンザは春や秋などにも観察されますし、秋から冬に感染が拡大していたRSウイルスは夏から増加する傾向がみられるなど、今までの常識とは違った感染動向を呈しています。今年は溶連菌と手足口病感染者が激増しました。
「注意報」と「警報」
感染症の世界にも、天気予報と同じく「注意報」や「警報」といった言葉が出てきます。
注意報・・これから4週以内に流行する可能性が高い感染症
警報 ・・・今まさにその感染症が流行し継続する可能性がある場合
天気図等で台風の接近を知れば、「警報」が発表される前に外に出している鉢植えや自転車を屋内に入れるなど予防策を講じることができますが、手足口病の原因ウイルスなどは予防ワクチンも特効薬もなく、眼にも見えない・・・このような感染症を防ぐことは簡単なことではありません。
最近の感染症は季節性や好発年齢(※)が過去のデータから少し外れており、今までと何か違うなと思いながら診療を続けています。もし気になることがありましたら、お気軽に小児科を受診してくださいね。
※ある疾患にかかりやすい、あるいはおこしやすい年齢層
次回は今年警報が発表された手足口病についてご紹介します
診療科により、受付時間・休診日等が異なります。ご受診される方はホームページでご確認の上ご来院ください。